陶芸のススメ-その1-

2017年10月8日

ここのところ涼しくなってきましたね。
アトリエ新松戸のカルチャー教室ブログ、少々間が空いてしまいましたが、芸術の秋でもありますし、ここで一発皆様の創作意欲をかき立てなければ。
ということで、今週からまた創作溢れる投稿をして参りたいと思います。

今回は陶芸クラスをピックアップ!

現在アトリエ新松戸の陶芸教室では2名の講師が担当しています。
そのうちの一人、鵜飼先生にインタビューしました。

まず自己紹介を…との問いかけに、実に面白い答えが返ってきました。
なんと、鵜飼先生は(美大・芸大の類いではないという意味で)普通の大学を卒業し、普通の社会人だったそうです。

「勤め先の会社で日がな一日PCを操作する仕事に嫌気がさし、なんとかこの仕事をやめる納得のいく理由を探していたんです。
そして何かを“学ぶ”なら立派な理由になるかなと思い立ちました。学ぶなら自分の好きなことがいい。それが“ものを作る”ということだったんです。子どもの頃から図工が大好きで。それでたまたま通える範囲にあった芸術系専門学校のカタログを見て直感で陶芸コースを選びました。それまで特に陶芸をやった経験があったわけではないのですが…」

納得のいく理由を探してから仕事やめるという姿勢もスゴイですが、探し当てた理由がいきなり「陶芸を学ぶ」というのもスゴイ。

子ども時代以来、初めて粘土を捏ねるところから「自分のイメージしたものを形にする」面白さと喜びを知り、卒業後すぐに教室を開けるまでになった鵜飼先生。

何事も新しいことを学び、始めるのに遅すぎることはないですね!

そんな素敵な先生、陶芸が絵画と違う点は「作ったものを“使える”」ことだと言います。

器にしてもアクセサリーにしても飾るだけでなく、料理を盛りつけたり、身につけたりすることができるのです。
確かに自分で作ったお茶碗でご飯を食べたら美味しさもひとしおだろうな…と聞き手である私の想像も膨らみます。

また、焼きものは完成させるまで仕上がりの行方が分からないのも魅力と先生は言います。
「保証がない世界、博打に近い。」

どういうことでしょうか。

陶芸ではざっくり言うと、捏ねる、焼く、(釉薬を)かける、という工程があります。
その工程の組み合わせで様々な表現が可能です。

下の写真はアトリエ新松戸で扱っている粘土の4種に21種の釉薬を組み合わせた見本です。

同じ釉薬でも、ベースの粘土が違えば随分と結果が変わるんですね。

さらに技法もたくさんあります。

下絵具と呼ばれる、一筆書きに適した塗料。
ポップな色味です。

上記の釉薬ひとつとってみてもその配分で濃度が出ますし、窯の温度、大気の状態などでも焼き加減も変わるそうです。

…となると、「自分のイメージした形にする」までとても難しいのでは…と思いましたが、

「イメージはゆるく持っておけばいいんです。最初は偶然を楽しめますし、経験を重ねていけばある程度結果を予想することはできますから。」

と笑顔で答えて下さいました。

ここまで先生の話を聞いていて、すっかり私も陶芸をやってみたくなりました。
というわけで、次回は私自ら体験レポートをしてみたいと思います。

鵜飼先生、ありがとうございました!

ピアスとネックレスは自作のセラミックアクセサリー。

《つづく》