研ぎ出し
油絵には様々な技法があります。先日、土曜油絵クラスの生徒さんから「娘が、先生ならではの手法とか技法を習ってきなさいって、うるさいんですよ」と相談されたので、「研ぎ出し」という技法を紹介することにしました。
手順としては、
- まずいつも通りに構図を決めてテレピンで薄く溶いた絵の具で下描きします。
- 次にホワイトをたっぷりと混ぜた絵の具で画面に凸凹が出来るくらいに厚塗りします。オイルはほとんど使いません。もちろんその時、下描きの形にあわせておきます。これが下地になります。
- 下地がほぼ内部まで乾いてから、リンシードオイル、ダンマル樹脂溶液、テレピンの混合オイルで溶いた暗い色を画面全体に塗ります。下地の色や形が見えなくなっても問題ありません。
- 2週間ほどあけて、これがほぼ完全に乾いたところで、表面に水をかけながら耐水ペーパーで研磨します。そうすると下地の凸凹にあわせて模様が浮かび上がってきます。
- その上に細部を描き込んで行きます。
そうして描かれたのがこの作品です。
やった事のない技法に戸惑いながら、そして、この後どうなってしまうのだろう?とドキドキ、ビクビクしながらの制作でしたが、出来上がってみると、今までにない表現になっていて、とても新鮮でした。早速今日ご自宅に持って帰って、娘さんに見せるのだそうです。
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