木炭デッサン|火曜油絵クラス

2017年11月5日

火曜日と木曜日の油絵クラスは先週、前回の課題が終わり、今週と来週は木炭デッサンに取り組みます。

生徒さんに尋ねてみると、日頃、油絵の下描きに木炭を使うことはあっても、本格的に習った事がないとの事でした。初めての素材に、興味津々でした。

木炭デッサンは、調子をつけたり取ったリが容易な事から、形や調子を捉える練習としてとても良い方法です。油絵も乾いていなければ絵の具を拭き取ったり、また、いくらでも塗り重ねて形や色を変えていけるので、ある意味似た素材とも言えます。そう言った事から、油絵の基礎訓練として、用いられているのではないでしょうか。

今回は「ヤナギ」「クワ」「カバ」の3種類の木炭を使いました。最初に芯の抜き方、先端の削り方、持ち方といった基本動作や、消し具としての食パンや、調子を整えるためのガーゼ等、基本的な使い方をデモンストレーションしました。画像はその時のサンプルです。
木炭の使用例

ホウロウのポットやパイナップル、リンゴをモチーフに、2時間ほどで1枚のデッサンを仕上げました。最後にみなさんの作品を並べたところです。
生徒さんの作品

生徒さんの作品。
細かな描写は入っていませんが、かえってそのために果物の持つ重量感が出ています。
生徒さんの作品

それぞれのモチーフの固有色の差がしっかりと描き分けられています。周りに白い枠はなんだか額縁のようです。
生徒さんの作品

生徒さんからは「絵の具ではなく、木炭で描いた事で、モチーフの中で隣り合っている部分同士の明るさの差を、一層意識できた」というコメントもありました。そう言った気付きがあったという事だけでも、今回の課題は大成功だったと思います。
来週は再度木炭で、石膏像を描きます。今度は色のないモチーフで、どのように形態と空間を出していくのかという事がテーマになります。

イワサキ