夏の特別講座『テンペラ実習』

アトリエ新松戸カルチャー教室油絵クラスでは、夏の特別講座として『テンペラ実習』(全6回)を行いました。

初夏の頃にカルチャー教室でご協力頂いたアンケートで
・いつものクラスではやらないような、特別講座
を希望される方が何人かいらっしゃいまして、それならばと今回のこのテンペラ講座を企画しました。

まずはレクチャーです。

テンペラ技術に関する研究はここ30年ほどでかなり進んでおり、昔参考にした本と今回参考にした本の内容でも差が見られました。

(どちらが年季の入った本であるかは一目瞭然ですね)
こうした研究内容のアップデートは常にしていきたいものです。

担当講師岩崎が生徒さん向けにまとめたテキストです。
岩崎ならではの、他からの丸写しではない独自研究(?)を交えた大変わかりやすいものになっています。

プロセスや、

模写見本、途中のもの、などなどを使い、レクチャーにしっかり時間をかけました。

テンペラで使用する画材類。今回は顔料を卵黄とミックスして絵の具を作る卵テンペラでした。

生徒の皆さん、レクチャーをよく聞いてくださり、制作はとてもスムーズでした。
どの方も予想外に早く完成させてくれました。

講座終了後、皆さんの感想はふたつに分かれ、
・いつもとは違う技法が試せて楽しかった
・古典の勉強にはなるが実際やるとなると面倒

という声が聞かれました。
面倒という気持ち、よく分かります。

先人たちも多くがそう思い、だからこそ産業革命の折に絵の具がチューブ化されるという一大転機が訪れたわけです。

省いて良い手間は省くことで作品の数が増やせるという利点があります。
ただ、古典技法を学ぶことは原理原則を知る上で大切なこと。
その上で自分のスタイルに合った技法でこれからも取り組んで下さい。

またこうした実りある特別講座を企画したいと思っています。
お疲れ様でした。