写実のススメ
前回はアトリエ新松戸カルチャー教室の陶芸クラスをピックアップしてレポをお届けしました。
陶芸体験レポ〜その1〜
陶芸体験レポ〜その2〜
今回は水彩・デッサン・アクリルクラスにお邪魔し、レポいたします。
担当講師である鈴木政司へのインタビューも併せてお楽しみ下さい。
本日は水曜日。
この日の午後からは水彩・デッサン・アクリルクラス(水曜・金曜開講)があります。
お邪魔すると、日の光が綺麗に差し込む教室に6名の生徒さんが様々な道具で様々な植物を描いていました。
課題としては「その植物が持つ“らしさ”を表現する」ということで、講師鈴木がそれぞれの植物が持つ特徴を丁寧にレクチャーしていました。
例えばこちらの方はオーニソガラムがモチーフです。
この花、一本の茎にたくさんの房で構成されていますね。
同じ黄色一色で塗ってしまうとこの花の特徴であるボリューム感があまり出ません。
「ボリュームを出すには、房と房の空間を意識しながら、手前の黄色との奥の黄色を変えてみましょう。」
確かに一口に黄色と言っても他の色と混ぜれば様々な黄色が作れます。
生徒さん、なるほどと黄色に赤味をプラスして濃淡を入れているようでした。
こちらの方はアンスリュームがモチーフに鉛筆デッサンをしています。
先ほどのオーニソガラムと違い、薄さが印象に残る花です。
「薄さの中にも存在する微妙な凹凸を感じ取って、薄っぺらくならないようにしましょう。この辺りの膨らみを…」
まずは観察し“らしさ”を見つけること。
そしてどうしたらそのらしさを表現できるか手を動かしてみる。
たった一つのモチーフから学べることがたくさんありますね。
長く通われている方は大物を手がけています。
この方はアトリエ新松戸カルチャー教室歴なんと15年!
(しかも月4回!)
重厚な作風はアクリル絵具によるもの。
リキテックスのベーシックスシリーズですね。
さて、鈴木がカンバスを離れたところに置き直し、しばし見つめます。
一見いくつかの緑色が使われていますが、「もっと深みのある緑を使って更なる空間を表現してみましょう。例えばこの辺は…」
こちらの生徒さんへは「この淡さを活かして進めていきましょう。淡い中でも緑の色幅をつけて。」
このように、生徒さんそれぞれのレベルに合わせアドバイスをしていきます。
ここからはクラス終了後のインタビューです。
今回の課題でも「らしさ」の追求がデーマでしたが、その意図は何でしょう?
「自然物が持つみずみずしさ、鮮やかな色を白い紙の上を空間に見立て、一発で描けるようにすることが目標です。3時間で1枚が目安。これは芸大・美大受験のテクニックの応用といえますね。」
鈴木は受験部デザイン・工芸科などの指導を担当するベテラン講師でもあり、この水彩・デッサン・アクリルクラスは、カルチャー教室といってもお遊びではなくしっかりと作品が残せるクラスということで好評です。
「ただ、テクニックを覚えれば作品の数が着実に増えていくというメリットがありますが、“楽しむこと”が前提です。受験部の生徒のように苦しんで描く必要はありません(笑)」
自然物ばかりでなく、工業製品(瓶や金属など)もモチーフになるため、そこで躓く方が多いのだとか。
「花の用に形の不揃いなものは実は描きやすい。工業製品などの規格が決まったものは形がある程度正確に取れないとらしさが出ないんです。そこで、上達を臨む生徒さんはデッサンから入っていきます。」
デッサンをこなして基本を学べばそれは着彩でも活かされ、単なる塗り絵から光と影を意識したものになっていきます。
「もちろん無理にデッサンばかりをやる必要は無いですし、そこは生徒さんそれぞれの希望に合わせて課題を組んでいます。」
早い人では半年後には一枚の立派な植物画が描けるそうです。
鈴木自身アーティストであり、その作風・コンセプトはやはり「そのものがそのものらしく」。
写実を手がけていることもあり、少なからずクラスの生徒さんへの影響もあるのでしょう。
鈴木の作品を紹介しながら、本日のレポートを終えます。
ありがとうございました。
アトリエ新松戸カルチャー教室の水彩・デッサン・アクリルクラスでは「一日体験」を随時受け付けております。
ぜひご参加下さい。
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